金太郎ゆかりの神社


金太郎ゆかりの神社を訪ねる

 箱根は古くから駒ケ岳をはじめとした山々が信仰の対象だったため、人気の神社が沢山あるが、今号では仙石原の金時山山麓にひっそりと鎮座する公時神社を紹介しよう。祀られているのは童話や童謡で知られる金太郎のモデルとなった坂田公時だ。
 坂田公時は天暦10年(956年)の誕生とされ、足柄山で育った。童話では熊と相撲を取るなどして元気に育ったと言われている。
 天延4年(976年)、坂田公時は清和源氏三代目の源頼光に出会い、その力を認められて家来となり、酒呑童子(しゅてんどうじ)退治などで活躍して後に源頼光四天王と呼ばれるようになった。
 現在の社殿は昭和36年(1961年)の建立。 
 地元の氏子会の努力で管理運営が続けられており、毎年5月5日の子供の日には国重要無形民俗文化財に指定されている「箱根仙石原湯立獅子舞」が奉納されている。
 周辺には金太郎が手毬にしたと言われる「手毬石」や蹴落としたと言われる「蹴落とし石」、現在の社殿が建立される以前は祭祀が行われていた元宮「奥の院」が存在する。本誌編集長がチャレンジしたところ、奥の院までは25分程。 
 山道なので、歩きやすい靴と服装がお薦め。「奥の院」は大きな岩の上に歴史を感じさせる祠と大きな鉞がある。帰りは下りなので、15分位だろう。
 子供の成長や健康祈願、安全祈願のご利益があると言われる神社なので、年末年始のお参りにお薦めだ。 社務所では御朱印、お守り、おみくじ、絵馬なども扱っているので、お詣りの際に立ち寄ると良いだろう。
 なお、公時は山名のように金時と表記とされることもある。諸説あるが、公時神社を運営する氏子会では公時を採用しているそうだ。

※上記内容は本紙2025冬号第一版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。