仙石原茶屋

仙石原茶屋

 10年ほど前まで仙石原のすすき草原に「金時食堂」と呼ばれる地域の人に愛された食堂があった。バスにお乗りになる方がバス停で待つ間に食事をしたり、雑談をしたり、買い物をして過ごしたらしい。店内には新聞や駄菓子、たばこも揃っていて文字通り地域の憩いの場だった。
 その古民家風の建物をリニューアルして、2023年7月にカフェがオープン。
 カフェの代表 佐藤有里子氏は愛川町で育ち、ブライダルプランナー、ヨガインストラクター、議員秘書、中学校教師を経て、縁あってこの空き店舗のことを知り、みんなが集える場所を作りたいと考えたそうだ。
 みんなが集える場所がコンセプトなので、奥の広い店内には大きなラウンドテーブルが一つ。テーブルは檜と杉の木を使った特注品。店内の柱や椅子、カウンターなども桐や松、欅などの木材が使われている。
 木には健康や幸福など様々な意味があり、お客様を優しくお迎えするのに相応しい場所を演出している。
 今年初め、本紙編集長が店内に掛けられていた箱根を題材にした絵を眺めていたところ、その作品の作者の方が丁度店内にお越しになっていて、代表の佐藤氏から紹介されて名刺交換、箱根の話題で盛り上がったらしい。みんなが集える場所ならではのエピソードだ。
メニューは珈琲、紅茶、ジュースの他、ソフトクリーム、一番人気のほろ苦レトロプリン、おしるこ、磯辺餅など豊富な品揃え。
 ほろ苦レトロプリンは代表のご実家の近所で採れた赤玉子の卵黄二つを使った贅沢プリン。健康志向の方向けのオーガニック商品や焼菓子も取り扱っている。
 なお、ご実家で採れたお米「はるみ米」も扱っている。カフェは沢山あるが、磯辺餅がいただけて、お米も手に入るお店はここだけではないか。また、本紙編集長が見とれていた箱根を題材にした絵の作品だが、数年前にアメリカから箱根に拠点を移して作家の活動を続けられている楠大八郎氏の作品。仙石原茶屋でも購入できる。ちなみに本紙編集長は「箱根の観光に携わる者として是非自宅に飾りたい。」と考え一点購入したそうだ。

※上記内容は本紙2025春号第一版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。