見晴茶屋兎月

見晴茶屋兎月

 箱根湯本から畑宿を経由して元箱根に至る道は旧道と呼ばれ箱根観光の人気のルートの一つだ。そんな旧道沿いに2022年11月、お蕎麦屋がオープンした。店名は「見晴茶屋兎月」。
 寄木細工で知られる畑宿の先、小田原の街を見下ろす眺めの良い場所にある。
 小田原で和食の御食事処を経営されている社長と料理長が現地を見て、是非お店を開きたいと感じた場所らしい。料理長は小田原の和食店で長い間料理長を務めた方で、蕎麦職人が作る蕎麦ではなく、和食の料理人が作る蕎麦の提供を目指しているとのこと。

 お店に入って左側のガラス張りの部屋が展望席。遠くに小田原の街と相模湾を見ることが出来る。本紙ではこれまで様々な店舗を取材してきたがこれだけの眺望を楽しめる御食事処は初めてだ。
 蕎麦粉はその時期に最良のものを全国から厳選して仕入れ、水はお店の上に流れる湧水を利用。その日の天候や気温、蕎麦粉に合わせて打ち方を変え、つるつるした蕎麦を作り出している。

 冷たいお蕎麦の場合、二種類のお蕎麦を出しているのも特徴で、各地の蕎麦の味を楽しむことが出来る。取材の際には北海道と鹿児島の蕎麦を堪能。一つ一つ満足できる料理をお出ししたいと言う料理長の思いを感じることができるお店だ。

※上記内容は本紙2023秋号第一版・第二版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。