郷土資料館で箱根の歴史を知る
箱根は全国有数の観光地だが、その歴史についてはあまり知られていない。
今回は手軽に箱根の歴史を知ることができるスポットとして、「箱根町立郷土資料館」を紹介したい。
実は本紙記者も分からないことがあると資料を確認したり、学芸員の方に相談するために訪問している大変ありがたい施設だ。
1983年7月に箱根の歴史に関する資料の収集とその情報の公開を目的に開館。場所は箱根湯本駅から徒歩五分ほどの箱根町役場正面の建物だ。入り口を入ると受付があるので、300円を支払って入館する。
最初に展示されているのは箱根の観光資源の代表と言える「温泉」についての資料だ。
箱根は活発な火山活動の影響で各地に温泉が湧きだしたため、古くから湯治場として発展してきた歴史がある。江戸時代に初めには七つの温泉場((湯本・塔之沢・堂ヶ島・宮ノ下・底倉・木賀・芦之湯))が成立し、箱根七湯と呼ばれていた(現在は十七湯)。江戸時代の浮世絵の画像や当時の宿帳などの貴重な資料が展示され、分かりやすく解説されている。
奥に進むと明治以降の写真や戦前に使われていたタクシー乗務員の制服などが展示されており、観光地として発展してきたプロセスが理解できる。
また、仙石原村の民家の一部や寄木細工を作るために使われていた道具類、調度品なども展示されている。
短時間でご覧いただける施設なので、目的地に出発の前に立寄ると箱根観光がさらに楽しくなるだろう。
※上記内容は本紙2023冬号第二版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。