仙石原で山野草を楽しむ
すすきで有名な仙石原には1976年に開園した国内で最初の湿生植物園「箱根湿生花園」がある。
箱根湿生花園は湿地に育つ植物を広く知ってもらうことと湿原環境の保全を目的に整備されたもので、園内は30,000平方メートルの敷地の中に湿原のほか、雑木林や草原のエリアが用意され、木道を歩きながらそれぞれの環境で育つ山野草を楽しむことができる。
木道の距離は800メートルほどで散策するにはちょうど良い距離だろう。この数年、箱根でも8月には気温が30度を超える日があるが、ここは標高が650メートルの仙石原、気持ちよく歩くことができるに違いない。
8月にはキキョウ、サギソウ、コオニユリ、カワラナデシコ、9月にはエゾリンドウ、タムラソウ、オミナエシ、ワレモコウなどを観賞することができる。 入園の際には入口左側の窓口でチケットを購入する。
事務所や売店が設置されている建物を出てしばらく進むとサギソウの群生を楽しむことができる。サギソウは湿地に咲くラン科の多年草で、花の形が羽を広げたシラサギに似ていることが和名の由来。望遠レンズでアップにすると沢山のシラサギが飛んでいるように見える。落葉広葉樹林区を抜けるとキキョウやコオニユリが咲くススキ草原区、低層湿原区へと続く。
園内の一番奥は江戸時代から続く草原の維持管理を実践することで、湿原植生の復元を試みている仙石原湿原植生復元区だ。晴れていれば空の青さと湿原の緑のコントラストが素晴らしい景色が見られるだろう。
※上記内容は本紙2022夏号第二版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。