宮城野の桜は誰が植えた?
本紙編集長は毎年、桜の時期になると早川堤にカメラを抱えて出かけ、その年の桜の風景を撮影するのだが、その度に「この桜は誰が植えたのだろう?」と疑問に感じていた。
他のエリアの桜は観光施設や宿の敷地の中なので、その施設や宿の関係者が植えたと想像されるが、宮城野の桜は個人の土地ではない。
また、その規模から考えても相当な時間と資金が必要だったはずだ。いったい誰が。そこで、今年初め、検索ページで「箱根宮城野の桜は誰が植えたのか」と検索したところ、神奈川県全域などで無料発行している地域情報紙「タウンニュース」の過去の紙面(2011年3月11日号)に「箱根町宮城野・早川川岸 知られざる桜並木の仕掛け人」と題した記事があるのを発見。日本評論社の代表だった鈴木 利貞(すずきりてい)氏と言う人物が昭和12年頃に宮城野の業者に桜の植栽を依頼したことが紹介されていた。
鈴木 利貞氏は箱根に別荘を所有し、趣味の釣りで早川を訪れているうちに河川に桜を植えることを思いついたらしい。
その後、桜はすくすくと育ち、箱根の桜を代表する存在に成長。昭和30年以降は箱根町が世話をしているそうだ。
※上記内容は本紙2025春号第一版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。