マイセンアンティーク美術館

箱根でマイセンを楽しむ

 強羅公園からカーブが続く道を大涌谷方面に進んで行くと左側に森に囲まれた瀟洒な洋館が現れる。2011年9月に仙石原から移転して開館した「箱根マイセンアンティーク美術館」だ。仙石原には2000年7月に開館した「箱根マイセン庭園美術館」があったが、元館長が強羅に建つこの洋館が気に入って購入。この地に美術館を移転したそうだ。
 洋館は戦後の吉田茂総理の時代に日銀総裁として活躍した一萬田尚登氏が住まわれていた邸宅で、50年程前に強羅に移築されたもの。1階は洋室、2階は和室で一萬田氏が住まわれていた当時の雰囲気が残されている。

 その館内に元館長が一つ一つ収集したマイセンの逸品が展示されている。
 マイセンと言うと白磁に青い図柄が鮮やかなブルーオニオンが有名だが伊万里焼(柿右衛門)の龍の柄をルーツとするピンク色で描かれたドラゴンシリーズや花やフルーツ、動物をモチーフとした絵柄の器も展示されている。2階の和室にはオールドタケノリの作品も展示されていて観ていて飽きない。何気なく置かれているのはガレのランプ。

 タイミングが合えば、一階のショップでスタッフからマイセンについての解説を聞くこともできる。強羅で少し贅沢な時間を過ごしたい方にはお薦めの美術館だ。

※上記内容は本紙2022冬号第一版・第二版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。