庭園も楽しめる箱根ガラスの森美術館
仙石原にヴェネチアン・グラスと庭園の散策を楽しめる美術館がある。箱根ガラスの森美術館だ。
平成8年(1996年)8月8日、日本初のヴェネチアン・グラス専門の美術館として開館、来年には開館30周年を迎える文字通り箱根を代表する美術館だ。入館すると目の前に中世のヴェネチアの街並みを思わせる風景が飛び込んでくる。正面に見えるのは「光の回廊・コッリドイヨ」だ。16万粒のクリスタルガラスが幅10メートル、高さ9メートルのアーチに散りばめられている。陽に当たって風で揺れるクリスタルガラスが美しい。
この美術館の庭園にはクリスタルガラスを使った様々なオブジェが展示されているが、電飾を使わず、すべてクリスタルガラスと自然の光だけで輝きを表現しているのが特徴だ。「光の回廊・コッリドイヨ」の他にもクリスタルオブジェの展示エリアがある。
夏には紫陽花、秋にはすすきの風景がクリスタルガラスで表現される。11月には高さ10メートルのクリスマスツリーが登場するのもこの場所だ。また、庭園奥の「紅葉の小径」では11月頃には紅葉が楽しめる。
「光の回廊・コッリドイヨ」を渡って入館する建物が美術館。ガラスで造られた様々な作品が展示されている。美しく精巧に造られた作品はどれもため息が出るほどだ。
特に本紙編集長がお薦めしているのは「風にそよぐグラス」と呼ばれる作品。1895年に制作されたものだが、100年以上の間、細いステム(脚部)で大きな坏身(つきみ)を支え、風に揺れる姿には驚かされるだろう。館内の天井には美しい壁画も表現されており、庭園と合わせてちょっとしたイタリア旅行の気分が味わえる。
なお、カフェで1日6回開催される生演奏は有名だが、美術館の館内でもコンサートが開かれている。ホームページで曜日と時間が公開されているので、お見逃しのないようにして欲しい。
※※上記内容は本紙2025秋号第一版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。
ガラスの森美術館
