箱根駅伝ミュージアム

箱根駅伝ミュージアム

 正月の恒例行事の一つに「箱根駅伝」がある。正式には「東京箱根間往復大学駅伝競走」と言う。1920年に世界に通用する長距離ランナーを育成する目的で始まった。
 長い歴史の中には様々なエピソードやドラマがあり、毎年、テレビの前で釘付けになっている方も多いだろう。中には1月2日には芦ノ湖の往路フィニッシュ附近、3日には大手町のゴール附近で応援しているファンの方もいる人気のイベントだ。

 本紙編集長も首都圏に勤務していた時には2日は芦ノ湖、3日は大手町で応援していたらしい。目の前で母校の駒澤大学が初優勝した時には本当に感動したと言っていた。
 その箱根駅伝の往路フィニッシュ横に日本で唯一の駅伝をテーマにした「箱根駅伝ミュージアム」がある。箱根を代表する宿泊施設である「富士屋ホテル株式会社」が管理運営を行い、貴重な写真や資料、選手の愛用品、往路優勝校に渡される箱根寄木細工の往路優勝記念トロフィーのレプリカなどを展示、数々のエピソードや記録を紹介している。

 地域貢献と駅伝の情報発信を目的に、元々、富士屋ホテルのレストランがあった建物をミュージアムに改装して2005年3月に開設したそうだ。現在の副館長は準備段階からこのミュージアムに携わっていたとのことで、思い入れも強いらしい。
 取材した時にも年末から来春にかけて計画している往路優勝記念トロフィー特別展示のために、大学へ協力のお願いをしているとのことだった。往路優勝記念トロフィーは箱根畑宿の「金指ウッドクラフト」が1997年から製作しているもので、無垢の寄木で作られ、毎年デザインが異なる。世界に二つとない非常に貴重なものだ。

 11月中旬の段階ですでに神奈川大学所有の三点の展示が始まっており、下旬からは東洋大学から7点、創価大学から1点の展示が決定。普段は目にすることが出来ない貴重なトロフィーなので、是非ご覧いただきたい企画。展示は来年3月末までの予定。
 また、ミュージアムにはショップが併設されており、オリジナルグッズのほか大会記念グッズ(限定数)や書籍などを扱っている。箱根駅伝ミュージアムならではのお土産が手に入るだろう。本紙編集長からは駒澤大学の大八木元監督の著書「必ずできる、もっとできる。」がお薦めとコメントがあった。

※上記内容は本紙2023冬号第一版・第二版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。