茶のちもと

茶のちもと

 箱根湯本の温泉場入口横に古い洋館風の建物が立っている。終戦直後に建設され、旅館として使われていた建物らしい。
 この建物で70年前から和菓子を提供しているお店が、箱根を代表する和菓子店「ちもと」だ。昭和25年に当時は銀座に本店があった「ちもと」から暖簾分けして開店した。
 その和菓子店の横にカフェ「茶のちもと」がある。開店は2010年5月。白を基調にした店内に席数は12席、利用は40分までと言う小さなお店だ。カフェだが珈琲はメニューにはなく、日本茶と「ちもと」の和菓子が楽しめる。
 メニューを見ると最初に目にするのは「湯もち」。ちもと駅前通り店の看板商品で、箱根界隈の有名旅館のお着き菓子にも使われている。湯上りの肌をイメージした柔らかいお餅で、早川の岩石をイメージした羊羹を包み、柚子の香りを付けた銘菓だ。
 また、10月1日に秋限定のスイーツの取り扱いを始めるらしい。「和菓子屋さんの栗モンブラン」。濃厚な栗のクリームの中に香りの良い和の素材を閉じ込めた逸品だ。提供されるのは11月末日までの予定。秋の紅葉を楽しんだ後に是非立寄ってその味を堪能して欲しい。

※上記内容は本紙2024秋号第一版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。