芦之湯の名湯を堪能する
松坂屋本店
国道一号線を芦之湯方面に登っていくと芦之湯というバス停がある。箱根七湯にも数えられている名湯の地である。
バス停を降りて路地をまっすぐ進み、突き当りを右に曲がると松坂屋本店と言う古い旅館の入り口がある。
1662年、勝間田清左衛門という人物が湿原を開拓して開業したこの地で最も古い宿だ。
元々、単純硫黄泉の温泉として湯治客に親しまれていたが、昭和30年代に当時の館主が敷地内に源泉を掘り当て、現在では単純硫黄泉、硫酸塩泉、炭酸水素泉という三つの泉質を持った大変珍しい温泉として温泉マニアの人たちに知られている。
従来は宿泊客のみが楽しめたこの温泉を昨年から日帰り温泉を始めたと聞き、本紙も取材させていただいた。暖簾をくぐりフロントでカギを受け取り、スタッフから説明を受ける。
貸切温泉のみで2名迄が8,800円、3名以上は追加料金が一人につき3,300円かかる。二人で利用すれば一人当たり4,400円だ。箱根で唯一の温泉を1時間楽しめて、さらにラウンジのドリンクが1時間飲み放題なので、なかなかリーズナブルな価格設定だ。
温泉の効能としては血行・代謝促進、肌の保湿効果、美肌効果などが期待できる。当然のように源泉かけ流しの温泉で、コンディションが良ければ緑色に見えることもある。是非一度この名湯を堪能した後で、明治時代の雰囲気を再現したラウンジでゆっくりした時間を過ごして欲しい。尚、貸切温泉は四つだけなので、ご利用の前に電話で確認することをお薦めする。
※上記内容は本紙2021秋号第一版・第二版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。