編集長の思い出 第20話 悪天候時の担当?

悪天候時の担当?
昨年(2024年)の2月のある日、出社すると営業所長から「美馬さん、今日10時30分に○○ホテルお迎え、4時間観光お願いできる?」
「いや、所長、今日は午後から雪の予報ですよ。私が自宅を出る時、すでにみぞれになりかけてましたよ。今日は絶対雪です。」
「だから美馬さんに頼んでるんじゃない。雪でも観光できるところ思いつくでしょ。降りる説得もできそうだし。」
「この前も雪がちらつく日に観光だったし、去年の10月なんか台風の中を観光だよ。私だって、たまにはあそこに見えるのが富士山ですって案内したいんですけど。」
「まぁ、これからも天気の良い日の観光の機会はあるだろうし、今日だって午後から予報がハズレて晴れるかもよ。」
と言うことで送り出されました。
ホテルにお迎えに行くと日本人の女性が一人と外国人のご夫婦。日本人の女性のお友達のご夫婦で、来日中は日本人の女性がガイドしているらしい。コースの希望は大涌谷と海賊船、そして神社。いわゆるゴールデンコース。
「今日の予報は雪ですよ。」
「えっ、今は雪じゃないですよね。」
「今はみぞれですけど、間もなく雪になりますよ。」
「雪になったら考えましょう。大涌谷は絶対見せたいんです。」
そこで、大涌谷に向かうことになりました。ところが大涌谷は雪で何も見えないしとにかく寒い。私が外で大涌谷の形成プロセスの説明を始めましたが、外国人のご夫婦が車に戻りたいと。大涌谷は標高1000メートルですから寒いのは当然。
私は日本人女性にビジターセンターで箱根の地形と形成プロセスの説明を聞いていただくことを提案。
「それでお願いします。」
桃源台に向かい、ビジターセンターの大きなジオラマを使って、箱根の地形とその形成過程の説明をさせていただきました。
ご夫婦は大変興味を持ってくださったご様子。その後、外に出ると桃源台でも雪になっていました。2時間かけて小田原に無事に下ることができました。大涌谷のパノラマや芦ノ湖の風景、箱根神社をご覧いただかなかったのは残念ですが、ご夫婦は喜んでくださったご様子でした。
なお、冒頭の所長との会話が功を奏したのか、昨年の春以降は比較的、天気に恵まれた日の観光タクシーを担当させていただいております。