編集長の思い出 第17話 パソコンとの出会い


 

パソコンとの出会い

 この話は今から35年以上前の管理職になりたての頃の話です。16話の話の箱根移住や編集長の話ではありませんが、思い出したので、書くことにしました。18話もちょっと昔の話になりそうです。
 今でこそ、パソコンは日常的に使っていて、パソコンがないと生きていけないような人間になってしまいましたが、管理職になりたての頃はワープロ派。当時はワープロ専用機が存在しました。パソコンは訳の分からないコマンドとか覚えないといけないだろうし、文系の私には絶対無理と決めつけていました。膨大な管理業務に必要なデータは電卓をたたいて管理。ほとんどの管理職はワープロ使っていたし、上司なんかは手書き。大変だけど、これで良いやと思っていた。そんなある日、手書きの上司から内線で呼び出し。
 「美馬ちゃん、来週2日間、エクセルの研修行ってきてよ。」
 「私ワープロ派だから良いですよ。」
 上司とは毎週飲みに行っていたので、まぁ、普段はこんな感じで断れるはずだったんですが・・・。この時は、
 「今回はダメ!2日間時間を作って行ってきて。」
 と言うことで、翌週2日間、エクセルの研修施設へ。やる気が全くないので、初日は遅刻。
 午前中は文字入力したり、罫線を引いたり、セルの幅や高さを帰るなどの基本的な操作。そして単純な計算式。何だ簡単じゃん。
 しかし、夕方になって関数計算の講義。sumやvlookup。おっ、これは使えるんじゃないか。
 初日の講義後、インストラクターの女性に計算した結果で次の計算式を替えることはできるのかと質問。彼女は翌日回答することを約束してくれました。
 翌日は時間通りに参加。昼休みになるとインストラクターの女性がやってきて、if関数の説明をしてくれました。これは使える!!!
 2日目の研修終了後は真っ先に研修所を飛び出し、会社の上司の席へ。
 「部長、研修行ってきました。パソコン買ってください!」
 「美馬ちゃん、どうしたんだ?」
 「パソコンを導入してくれたら、作業が効率化できます。」

と言うことで翌月、私の席に最新型のPCが設置されました。
 後日、飲み会の席で聞いたところ、PCメーカーからエクセル研修を管理職や新人向けの研修に導入してはどうかとの提案があり、試しに一人だけ無料で研修をすることになったらしい。そこで、最も不向きな人材と言うことで私が指名されたとのこと。
 上司はまさか、パソコン漬けの状態になって帰ってくるとは思っていなかったらしい。
 その後、様々な会社にお世話になりましたが、パソコンのスキルがあったことが有利に働いたのは間違いないでしょう。
 また、今、こうしてパソコンを使って新聞を作ったり、データを分析できたりするのも、パソコンのスキルがあるからこそ。
 無理にでも研修に参加させてくれた上司に今でも感謝しています。