成川美術館
日本画と富士山の眺望を楽しむ
箱根は沢山の美術館があることで知られているが、ラウンジで富士山の眺望が楽しめる美術館は一つしかない。現代日本画4,000点を収蔵する美術館として1988年に箱根に開館した成川美術館だ。収蔵作品の中には有名な平山郁夫の作品40点も含まれており、気軽に日本の名画を堪能できる文字通り箱根を代表する観光スポット。
館長の成川 實氏は若い頃、1枚の日本画に出会い、それがきっかけで日本画の収集を始めた。投資などで得た収入のほとんどを日本画の収集にあてたらしい。1988年、収集した作品を紹介するために美術館の建設場所を探していたところ、出会ったのが風光明媚で知られるこの元箱根の地だった。日本画を紹介するのにこれ以上相応しい場所はないとも言われる絶景の地だ。その美術館一階の芦ノ湖に面した場所にカフェとラウンジをレイアウト。
晴れていれば、大きな窓から背後に名峰富士、右端に平和の鳥居を従えた芦ノ湖の眺望を楽しむことができる。特に、白い雪の衣を纏った富士山と赤い平和の鳥居、青々とした湖水を湛える芦ノ湖の姿は名画を観ているようだ。
展覧会は年に3度、展示替えを行い、収蔵している秀作の紹介をしている。
また、同美術館は2012年には一般財団法人成川美術財団を設立し、日本画作品の調査研究や作家の育成・支援に力を入れていることでも知られている。
カフェ ティーラウンジ「季節風」では軽食もいただけるが、お薦めなのが期間限定の抹茶セット。
一年に4回、上生菓子が桜↥・桃・栗・椿に替わり、季節にあった味覚が楽しめるのだ。現代日本画を堪能した後はティーラウンジで富士山の絶景を眺めながら季節感たっぷりなスイーツで舌鼓を打つのも楽しいだろう。
※上記内容は本紙2024冬号第一版・2024冬号第二版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。