函嶺

函嶺

 二つ目のお薦め日帰り温泉は宮ノ下から138号線を仙石原方面に少し歩いたところにある底倉温泉函嶺だ。函嶺とは箱根の異名。
 この温泉は、大正時代に医院として建てられ、当時は温泉療法を行っていたらしい。現在は当時の建物を活用して、日帰り温泉として営業している。
 2019年4月にリニューアルしているので、館内や温泉はとても綺麗になっている。特徴的なのは、温泉が一つしかなく、貸切の利用だけなので、1時間に1組しか利用できない点だ。 大勢が入れる大きな湯舟が好きな方にはお薦めできないが、底倉温泉の名湯を独り占めして、ゆっくり温泉を楽しみたい方には喜んでいただけると思う。

 温泉はナトリウム塩化物泉で、宮ノ下や小涌谷、二ノ平周辺では一般的な泉質だが、古くは箱根七湯と呼ばれた名湯の一つである。
 源泉の温度が高いため、加水をしているがとても気持ちの良い温泉だ。まったく宣伝はしていないが、温泉好きの人には人気の温泉で、リニューアルオープンの時にもいつの間にか情報が広まったらしい。
 営業時間は10時から16時だが、不定休のため、利用する当日、電話で予約する必要がある。当然、予約ができない場合もあるので、あらかじめご了承いただきたい。尚、別料金となるが、風呂上がりに館内の喫茶室でコーヒーを楽しむこともできる。湯上りにスタッフが入れてくれるコーヒーで、ゆったりした時間を過ごせるだろう。料金は一人1時間税込み1,500円。

※上記内容は本紙2021春号第一版・第二版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。