三河屋カフェ

三河屋カフェ

 三河屋旅館は1883年に箱根の地理的な中心地小涌谷に開業した老舗旅館だ。注目したいのはその建物。箱根には古くから続く旅館が多いが、水害や火災などで建て替えられた建物が多い。しかし、三河屋旅館は創業当時の建物がそのまま残されているのだ。

 この建物を2020年4月、ホテル箱根小涌園を運営する藤田観光が取得して、外観はそのままに建物のメンテナンスなどを行い、同年10月にリニューアルオープン。さらに2021年10月、本館のラウンジをカフェとしてオープン(11時~14時)した。創業当時のままの外観や内装、大きな窓から見える箱根外輪山の景観を楽しみながらドリンクやスイーツなどを楽しむことができるのだ。

 窓のガラスは当時のものなので、景色が歪んで見えるのが楽しい。お薦めなのが770円とリーズナブルな料金で楽しめる抹茶と和菓子またはコーヒーとケーキのセット。特に抹茶のセットは創業当時にタイムスリップした気分を味わえる。資料室や館内巡りのコースも用意されているので、窓からの景観を楽しんだら、是非館内を歩きながら箱根の歴史に触れて欲しい。
 まずは階段を登って2階へ。明治・大正時代に使われていたお食事処を再現した部屋や創業家が所有していたひな人形を見学することができる。1階に降りるとかつて使われていた金庫やキーボックス、看板、パンフレットが展示された資料室。歴史好きにはたまらない空間だ。但し客室などへは宿泊の方以外は入れないので注意をして欲しい。

※上記内容は本紙2021冬号第一版・第二版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。