黒うどん山長せんごくはら店
うどんと言えば、小麦粉を使った白くて太い麺が一般的だが、全粒粉と呼ばれる小麦の粒を丸ごと挽いた繊維質が多い粉を使って打った黒いうどんも存在する。明治の中頃、名古屋近郊で車屋長助氏が全財産を投じて製麺業を始め、様々な研究の末、開発に成功したのが黒うどん。
黒うどんはビタミンやミネラルなどの栄養成分を豊富に含んでいる上に、こしが強いのが特徴だが、値段が高かったことからあまり普及せず冠婚葬祭用の高級品としての製造にとどまっていた。
しかし、黒うどん山長として東京進出後後に成功して各地に店舗を開店。
さらに、水が良い場所を探した結果、小田原に本店を移転。現在は原宿、厚木、軽井沢にも姉妹店を展開している。
そして、2020年7月に箱根仙石原にせんごくはら店を開店した。
せんごくはら店の女将はこの地で養魚場を営んでいた家に生まれて育ち、小田原の山長本店に勤めた後、暖簾分けして生家の養魚場後にお店を開いたのだ。
このお店では山長本店から提供される黒うどんだけにとどまらず、養魚場の経験から富士山の伏流水で育った山梨県産の鱒やイワナのバター焼きもメニューとして揃えている。
お薦めは自家製のおはぎがセットになった煮込みうどん定食だ。その他に、黒うどんと鱒のバター焼きがセットになった「鱒定食」も美味しい。仙石原にお越しになったら是非お立ち寄りいただきたいお食事処だ。
※上記内容は本紙2024春号第一版・第二版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。