箱根の夏

本紙がお薦めする夏の周遊コース

 先日、年配のご夫婦を寄木細工で有名な畑宿にお送りした際に、箱根のお薦め観光スポットを尋ねられたため、旧東海道の石畳や二十五菩薩三河屋旅館などについてご紹介したところ、「全部回ってみたい。」とご希望になり、途中から観光貸切となった。
 日常的にタクシーを利用される方でも観光貸切の利用は意外と知られていないようで、ご案内したお客様も「箱根には何度も来ているけれど初めて観光タクシーを利用した。
 初めて行くところばかりで面白かった。効率的に回れて解説も聞けるから今後も利用したい。」とおっしゃっていた。そんなこともあったので、今回はあまり知られていないタクシーの貸切利用と周遊コースをご紹介したい。

 起点は箱根湯本駅。標高100メートルだが夏場は35度になる日もある。箱根新道と芦ノ湖スカイラインで三国峠方面に向かう。
 料金所で通行料(普通車800円)を支払ってしばらく進むと右側に「レイクビューパノラマ絶景」と書かれた看板が見えてくる。芦ノ湖を上から眺められるポイントでお食事もいただける。運が良ければ鹿の親子と遭遇することもある。
 さらに進むと三国峠に到着する。晴れていれば夏でも富士山が拝められる。
 標高は1,000メートルを超えており、湯本との気温差は5~6度。本紙取材班が取材した日は28度(湯本出発時は34度)。流れる風が気持ち良かった。

 三国峠で富士山を楽しんだら、芦ノ湖スカイラインを湖尻方面に抜けて、元箱根に向けて進む。箱根神社をお参りしたら、是非、六道地蔵、二十五菩薩をご覧いただきたい。700年以上前に彫られた石仏を眺めて箱根の歴史を感じることが出来るだろう。
 最後にお薦めなのが1883年創業の三河屋旅館。創業時に建てられた本館のラウンジ(営業時間は11時~14時)でいただくかき氷は最高。館内の一部は見学することもできる。

 三河屋旅館でかき氷を堪能したら、国道1号線を下って箱根湯本へ戻る。混雑している場合は旧道を使って湯本へ戻ることもできる。
 以上が本紙お薦めのこの夏の箱根周遊コースだ。道路の混雑状況や各地での滞在時間にもよるが、4時間程度で楽しむことが出来るだろう。タクシーの貸切料金は1時間7,260円なので4時間で29,040円。
 もちろん、ご予算やご都合に合わせて周遊するコースや降車場所を調整することができるので、ご利用の際は乗務員に相談して欲しい。
 なお、富士山は天気次第でご覧いただけない場合もある。予めご了承いただきたい。

※上記内容は、本紙2023夏号第二版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。
※1時間当たりの貸切料金は2024年3月に8,160円に改定されているため、4時間の貸切の場合、32,640円となります。