傳兵衛蕎麦


~江戸の風情を感じるお蕎麦屋さん~

 箱根関所京口御門前にはお食事処やお土産屋が軒を並べているが、その中で一際目立つ店頭幕がある。店頭幕には「箱根製麺所」と書かれている。そしてその隣には江戸の風情を感じさせるお蕎麦屋さんがある。傳兵衛蕎麦(でんべいそば)だ。
 ご主人にお話を伺ったところ、製麺所は1950年頃に創業、最盛期には30軒ほどのお店に麺を卸していたらしい。しかし、お蕎麦屋さんの廃業や自家製麺のお店が増えたことで売上が低下。2000年頃に先代のお父様がお蕎麦屋を開き、隣の製麺所で作った麺(蕎麦、饂飩)を使って田舎風の細くてつるつるした江戸前風のお蕎麦(温かい蕎麦は甘め、冷たい蕎麦は濃いめ)の提供を始めた。 
現在のご主人がお店を継いだのは2010年頃。以来、先代が目指した蕎麦の味を守ってきた。
 江戸の風情を感じさせるお店の外観や内装は現在のご主人のこだわりだ。箱根関所の色(柿渋塗の黒)と同じ黒で統一。
 看板や暖簾の文字にはレトロ調のフォントを採用。店名の傳兵衛は六代前のご先祖様のお名前。ご主人の家系は江戸時代には現在のお店の隣の場所に居を構えており、役場で傳兵衛氏の戸籍も確認できるそうだ。
お店を継いだ際に歴史を感じさせる店名にしたいと考え、ご先祖のお名前を店名にしたのだ。
江戸時代の旅人の気分に浸りながら江戸前の蕎麦の味を堪能できるお店だ。
なお、編集長はこれまでに山菜蕎麦と冷たい月見とろろ蕎麦を堪能。「つるつるしてのど越しも良く大変美味しかった。お薦めのお店だ。」とコメントしている。

※上記内容は本紙2026春号第一版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。